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アーサーとベルとでもしもの話
【ちょっと長い文】

絵の方は珍しく厚塗り挑戦してみて見事に撃沈したでござる、厚塗りむず…



「ママもパパもあなたの事悪く言うの」
「仕方ない話さ…」
「あなたに近付くなって言うの」
「なら両親の言う事を聞いた方がいい…、その通りなんだから」
「でも私はあなたが好きよ」
「…っ」
「私知ってるの、あなた本当は良い人だって」

確かにあなたは傷あとだらけでみんなから怖がられているけど、
その傷あとは沢山のものを守ってきた証だって、私は知ってるんだから。


●もしもアーサーが生存した状態で姉さんと出会っていたら
アーサーは享年24歳なのでお化け村では若いままでいる、でも生きていれば年齢が三桁いくくらいの爺さん、生きていれば。
生きて姉さんと会っていたらどうなっていただろうっていうネタ。

アーサーは戦争から無事帰って来たはいいが、家族もいなく友達もみんな戦死して一人ぼっちでその人生の大半を過ごす。
結婚や色付いた話も無く、近所付き合いも悪く次第に孤立、
ついには在らぬ噂を立てられ周辺住人達から避けられるようになった。
月日は流れアーサーが年老いた頃、唯一の趣味のガーデニングをしていると一人の少女が声をかけてきた、
少女は引っ越してきたばっかりでまだ友達があまりいないという。
「私ベルナデットっていうの、お爺さんはなんて名前?よかったら私と友達になってくれる?」
それから少女はアーサーの家によく遊びに来ては色々な話をして帰っていく、それが少女にとってもアーサーにとっても楽しみで仕方なかった。
だがある日、少女の母親が町での噂を耳にした。
『あの家の老人は頭がおかしい』『子供を近づけさせてはいけない』
母親は少女に二度とあの家に行ってはいけないと叱った。
でも少女はアーサーの元に会いに行った。

「何で君はこんな老いぼれの元に来てくれるんだい?同い年の子達と外遊んだ方が楽しいだろう?」
「私あの子達と遊んでも楽しくない、アーサーと話してた方が楽しいの…
それとね…」
「…?」
「ううん、何でもない」

別の世界での私達は恋人なのよ
その世界では貴方が私を守ってくれてるの
だからこの世界では私が貴方を守るわね
生まれてくるのが遅かったけど、もう貴方を一人にしないから。


別の世界=通常お化け村
この世界はパラレルワールドなので通常お化け村とは関係ない。
ただ子供ベルは夢か何かで通常お化け村の世界を何度も見ている、通常の姉さんの目線で。
だからアーサーの事も初めて会ったときから知っていた。
生まれてくるのが遅かったっていうが子ベルも通常の方と同じタイミングで生まれてる、
ただ村の方ではアーサーが若いままだから自分の方が生まれてくるタイミングをミスったと思っているらしい。
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